上皇陛下、上皇后陛下ご臨席のコンサート:日本フィルハーモニー交響楽団 渡邊暁雄生誕100周年記念演奏会

今日、2019年6月22日は渡邊暁雄先生の没後29周年記念日で、かつ日フィルの創立記念日。そして今年は「アケ先生」の生誕100周年であり、日本とフィンランドの修好100周年記念でもあるということで、記念コンサートが開催されました。日フィルにお招きいただき、驟雨の中、サントリーホールへ。

サントリーホールのオルガンの下には大きな渡邊先生の遺影が飾られていました。開演前、RB席のドア付近に日フィルの幹部が勢ぞろいしていたので、もしやと思ったのですが、案の定、上皇、上皇后陛下のご行幸でした。とくにアナウンスはありませんでしたが、私たち聴衆も、起立してお出迎え。すごい拍手でした。

上皇后陛下は、ご成婚前は日フィルの定期会員であられたのと、渡邊暁雄先生とのご交友があられたとのことで、お出ましになられたようです。両陛下のご着席を待って我々も着席。

さて曲目はというと、前半がシベリウスのフィンランディア(合唱付き)、ガーシュインのピアノ協奏曲、小山清茂の「管弦楽のための木挽歌」。後半はマーラーの交響曲第5番から第四楽章アダージェット。そしてシベリウスの交響曲第5番。指揮は渡邊先生の最後の内弟子、藤岡幸夫さん。

シベリウス:フィンランディア(合唱付き)

先週インキネン指揮で同じ曲を聴いたばかりですが、今日は合唱付き。指揮の藤岡さんは明らかに力んでましたけど、オケは慣れているので破綻なく進行。この曲は合唱が入ると、とりわけ感動的ですね。日フィル合唱団もアマチュアながら、お見事でした。

 

ガーシュイン:ピアノ協奏曲

なんでまたこの曲を?という疑問が頭をよぎりましたが、なんと日フィルの第一回定期演奏会で取り上げられたのだそうです。1957年4月4日のことでした。

今日のメインはこの曲。ソリストは第一楽章を渡邊先生の次男、規久雄さんの奥さんである寺田悦子さん。第二楽章は規久雄さん。そして第三楽章は長男の康雄さんでした。渡邊ファミリーによる演奏ということですね。

祝祭的な気分での演奏となり、楽しく聴かせていただきました。 ただ、指揮者のバランスには問題があったかと思います。

この曲、第二楽章にトランペットの難しいソロがあるのですが、首席トランペットのクリストフォーリさん、素晴らしかった! 終演後、「すごい! Molto, molto bravo!」とメールを送ったら、彼も興奮覚めやらぬ様子で「Grazie mille !」と返信が来ました。

しかし、第一回定期演奏会のとき、このトランペットのパートはどうしたんでしょうかね? 当時のオケの水準だと、相当キツかったと思うのですが…

 

小山清茂:「管弦楽のための木挽歌」

日本オケの海外公演でのアンコールピースとしても定評のある曲。和太鼓まで登場します。軽薄と評する方もおられますが、私は良い曲だと思います。日フィル、大熱演でした。

両陛下はここでご退席。そして我々も休憩に。

 

マーラー:交響曲第5番第四楽章アダージェット

最近の日フィルの演奏水準を考えると、この曲はもっと美しく響いたはずです。もちろん、合格点ではあるのですが、私としてはちょっと。

 

シベリウス:交響曲第5番

お招きいただいた演奏会でこんなことを申し上げるのも心苦しいのですが、全然ダメでした。もっとも、これは100%指揮者の責任かと。

どこをどうしたらこんなに凡庸な解釈ができるのか… (あくまでも個人の感想です。藤岡さんのファンの方がいらしたら、ごめんなさい。)

2階最前列で、拍手をしなかったのは私だけではありませんでした。 「最後の内弟子」だからといって芸風を正当に継承しているとは限らないということを思い知らされたのが、なんとも残念なことでした。(あくまでも個人の感想です。)

前半でお帰りになられた両陛下は、ご賢明でいらしたのかもしれません。

この記事を書いた人

元永 徹司

元永 徹司

ファミリービジネスの経営を専門とするコンサルタント。ボストン・コンサルティング・グループに在籍していたころから強い関心を抱いていた「事業承継」をライフワークと定め、株式会社イクティスを開業して12周年を迎えました。一般社団法人ファミリービジネス研究所の代表理事でもあります。

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