11月6日

Certain springs are tapped only when we are alone. Anne Morrow Lindbergh

springs は泉のこと。tap は動詞で、「叩く」です。なぜ泉を湧き出させる動詞が tap なのかというと、それは旧約聖書に起源があります。民数記の中に、預言者モーセが岩を杖で叩くと泉が吹き出る場面があるんです。西欧で書かれたものの深層に聖書があることは多々ありますよね。

springs は物理的な泉ではなく、比喩的に「創造の泉」という意味で使われているのでしょう。そして、今日の言葉のポイントは「孤独」の持つポジティブな意味を強調しているところにあります。

ちょっと説明的になってしまいますが、以下のように意訳します。

ある種の創造力の源泉は、ひとりでいるときでないと汲み出すことができない。

ワイガヤを否定するわけではもちろんなくて、「ある種の」創造力については、ひとりで考え抜くことが必要だということです。リンドバークの奥さんの言葉が引用されるのは今年で2回目ですが、毎回、深いですよね。

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元永 徹司

ファミリービジネスの経営を専門とするコンサルタント。ボストン・コンサルティング・グループに在籍していたころから強い関心を抱いていた「事業承継」をライフワークと定め、株式会社イクティスを開業して17周年を迎えました。一般社団法人ファミリービジネス研究所の代表理事でもあります。

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