朝、ヒゲを剃りながら願う中東和平: アレッポ石鹸

断捨離の提唱者やましたひでこさんは、髪、顔、体を洗うのに、ひとつの石鹸で済ませているとのこと。それがアレッポ石鹸です。
私も使い始めて半年。どんな感じなのかご紹介しますね。

 

成分

主体はオリーブオイル。作り手によっては、ハーブを入れたりすることもあるとのこと。合成着色料、防腐剤は入っていません。

つまりは地中海沿岸で昔から広く作られていた石鹸の一種ということでしょう。サボン・ド・マルセイユなども、同じ仲間なのだと思います。

 

使い心地

たしかに、髪、顔、体の全てを、この石鹸ひとつで大丈夫です。こわばる感じはありませんし、肌にも優しいようです。香りもかなり控えめ。むしろサボン・ド・マルセイユの方が強いかな。

手にとっての泡立ちは良くないです。でも、こんな床屋さんが使うようなブラシを使えば大丈夫。

髭剃りブラシ

長持ちします。私は毎日使っていますが、2ヶ月は行けます。

使っていると、だんだん緑色に変化します。作ったときは緑色なのだそうです。干して水分を抜くのですが、そうすると茶色になるのだとか。お風呂場に置いておくと、水分を含んでオリジナルの色に戻るのですね。

緑色に変わるアレッポ石鹸

 

なぜアレッポ石鹸を使うのか

アレッポはシリアの古い街です。市場とモスクが世界遺産に登録された美しい街でした。

「でした。」と過去形で書かなければならないのが悲しいところです。シリア内戦でアレッポは廃墟となってしまったからです。

もう20年くらい前のこと、NHKの番組でアレッポの石鹸作りが紹介されたことがありました。

広い部屋の床に紙を敷き詰め、その上に材料を流し込んでいくのです。数日たって固まったら、刀のような道具で切ります。大きさを揃えて、熱した金属の鏝でマークを付けて、完成。そして乾燥させます。一家総動員で楽しそうに作業する姿が印象的でした。

でも、もうそんな情景は存在しません。アレッポは瓦礫の山になってしまったからです。

アレッポの石鹸職人たちの一部はトルコに逃れ、その地で伝統的な製法で石鹸を作り続けています。アレッポに帰還する日を夢見ながら。

私は彼らをサポートしたくて、この石鹸を使っているのです。ほんとうに微々たる支えにしかなりませんが。

この記事を書いた人

元永 徹司

元永 徹司

ファミリービジネスの経営を専門とするコンサルタント。ボストン・コンサルティング・グループに在籍していたころから強い関心を抱いていた「事業承継」をライフワークと定め、株式会社イクティスを開業して12周年を迎えました。一般社団法人ファミリービジネス研究所の代表理事でもあります。

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