美濃吉はフリーメーソンの巣窟か?〜三条通を歩いて観察する。

地下鉄を三条京阪で降りて三条通りを東に5〜6分ほど歩いていくと、左側にレトロなオフィスビルがあります。「美濃吉本部」という看板がかかっているのですが、その壁面には、あの有名なフリーメーソンの紋章が。 これはどうしたことでしょう。

 

美濃吉さんは京都の有名な料亭さん。 もともとは鴨川沿いに店を出して川魚料理で名を挙げた老舗です。 戦後飲食業から一旦撤退したのですが、先々代がデパートへの出店に活路を見出して再興させたという歴史があるお店です。

それはさておき、フリーメーソンとの関係は?

この建物が昭和初期にフリーメーソンのロッジ(支部みたいなもの)であったというのは、どうやら本当らしいですね。一説では京都には早くも幕末維新の頃にロッジが開かれたといいます。

ただ、いまの京都のロッジは御門(みかど)ロッジと呼ばれ、別の場所にあるとのこと。フリーメーソン組織内での正式名称は Mikado Lodge 。本来は「帝」の字を当てるべきところ、さすがに憚って「御門」の字を使っているのでしょう。

ギルバート・サリヴァンが Mikado というオペレッタを書いているくらいなので、欧米の教養層では Mikado =天皇 ということはわかるはずです。

ちなみに、いまの御門ロッジのトップは、高須クリニックの高須先生です。ホームページにお写真が掲載されてます。

美濃吉さんの本店は、このビルから歩いて5分くらいのところにあります。竹茂楼(たけしげろう)というのですが、ここにはもちろんフリーメーソンの紋章は掲げられていません。

どうやら、美濃吉さんは本店の近くにオフィスビルを探していて、このビルを借りて使っておられるようですね。歴史的建造物であることを尊重して、外観もそのままにしておられるのだと思います。

どうやらそれだけの話のようですよ。拍子抜けしますね。

フリーメーソンのビルの通りを隔てた向かい側には、もう一つ歴史的遺物があります。

坂本龍馬と、お龍さんの結婚式が行われたお寺の跡地です。 土佐藩邸や、龍馬最期の場所となった近江屋からはちょっと離れています。 なんでまたここで結婚式を挙げることになったのか考証する方が面白いかもしれませんね。

三条通りをさらに東に歩いて地下鉄の蹴上の駅を過ぎると、そこは粟田口。 ここにはもっと恐ろしいものがあるのですが、それはまた後日あらためて。

この記事を書いた人

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元永 徹司

ファミリービジネスの経営を専門とするコンサルタント。ボストン・コンサルティング・グループに在籍していたころから強い関心を抱いていた「事業承継」をライフワークと定め、株式会社イクティスを開業して17周年を迎えました。一般社団法人ファミリービジネス研究所の代表理事でもあります。

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